MUSUPERUHEIMU

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第22話

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……今回の仕事の指令を受ける少し前……
アタシは突然、会長とやらに呼び出された
その呼ばれた理由と言うのが…

 「と言う訳だオカユ=パンチ君、キミは此方に入って貰おう」

 「…はっ?」

渡された辞令ディスクの中身を見るとそこには
アタシの名前の下に『上の者、親衛隊に配属』と書いてあった

 「…ちょっといいですかい?」

 「なんだね?」

目の前にはブランドスーツに身を包んだ
金髪碧眼の二枚目が座っている
トワイライト社のトップ、ルシファーブラック=トワイライトだ
随分と気さくな人物らしくアタシにも敬語ではなく
普通に喋って構わないと言ってきた

 「親衛隊って普通保安部の猛者達から引き抜くもんだろ?
  何かの間違いじゃ…」

アタシは只の工作員…戦闘が十八番という訳じゃない

 「勿論キミが工作員だという事は承知しているよ」

 「…工作員としてアタシより優秀なのはもっと居ると思うけど?」

 「そうかね?仕事の内容の成果は見せてもらったがキミには
  他の者には無い物があるそれがキミを選んだ理由だ」

 「……」

 「不満かね?断るのはキミの自由だが」

 「いいや雇われてる身でそんな我侭は言うのは
  アタシのプライドが許せない、ありがたくとは言えないが
  謹んでその辞令を受けるさ」

 「それは良かった、こちらとしても雇用者としての命令で
  強要して異動させたくはなかったのでね」

…本当かねぇ?…まぁこんな事、疑って仕方ないが

 「とりあえず指令がくるまでは自由にしててくれ
  仕事の事前に連絡するので待機してなくても構わない」

 「りょーかい…んじゃこれで失礼させてもらうよ?」

 「ああいいとも」

アタシは踵を返し会長室を出ようと大きな自動扉の前に向かう

・・・・シュィーン・・・・・・

 「そうだ1つ聞いてもいいかな?」

扉が左右に開いていく時、突然会長がアタシに質問してきた

 「ん?何を?」

アタシが促すと会長は楽しそうに微笑んで

 「キミがこちらに登録している名前はやはり偽名かい?」

と、聞いてきた
その質問にアタシも苦笑して

 「御想像に任すよ」

そう答えた…

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・・・コッ・・・コッ・・・コッ・・・

 (しかし親衛隊に入る事になるとは…)

アタシは会長室からの帰りの廊下を歩きながらそんな事を考える

 (ハンターズとしては一番無難だと思ったんだけど
  ここに就職したのは間違いだったのかねぇ)

アタシの本職はれっきとしたハンターズだ
まぁ普通のハンターズと違い現在はフリーランスではなく
トワイライト社と長期契約を交わしているんだがな
この場合色々と会社の方で便宜を図ってくれんで
装備経費は会社持ち安定した収入でボーナスに退職金
おまけに社員扱いの保険もある

 (企業連合トップの此処の試験を合格した時は
  無難に安定した人生を送れるとやったと思ったんだが…)

アタシは深く溜息をつく

 「…見栄張らずに断りゃよかったかね」

今さらながらアタシはちょっと後悔をしていた


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